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                              日本史の叛逆者143

                              时间: 2019-05-24    进入日语论坛
                              核心提示: 虫麻呂は、日が暮れぬうちに栗隈郷に入った。 栗隈郷は巨椋《おぐら》池という湖ほどもある大きな池のほとりにあり、池から掘
                              (单词翻译:双击或拖选)
                               虫麻呂は、日が暮れぬうちに栗隈郷に入った。
                               栗隈郷は巨椋《おぐら》池という湖ほどもある大きな池のほとりにあり、池から掘削した水路が田畑に注ぐ、極めて豊かな地だった。
                               その巨椋池の水面に、まさに夕陽が没しようとしている時、虫麻呂は郷の入口にたどりついたのである。
                               里長の家は四方を柵で囲まれており、門には見張りがいた。
                              「里長に会いたい。取り次いでくれ」
                               見張りの若者に、虫麻呂は言った。
                               若者は、じろりと虫麻呂を見た。
                              「何者だ」
                              「大海人皇子様の使いだと言ってくれ。そう言えばわかるはずだ」
                              「ここで待て」
                               そう言って若者は中に入り、しばらくして戻ってきて虫麻呂を入れた。
                               家の中では、白|髭《ひげ》を垂らした老人が待っていた。
                              「皇子様のお使いと伺いましたが」
                               老人は顔を合わせるなり言った。
                              「そうだ、武智麻呂殿に聞いて来た」
                               武智麻呂の名を出した途端、老人の目から警戒の色が消えた。
                              「これは御無礼申し上げました」
                               と、老人は虫麻呂を上座に据えた。
                              「わたくしは、この里の主《あるじ》酒麻呂でございまする」
                              「——虫麻呂と申す」
                              「これは、わが孫の早足《はやたり》でございます」
                               と、老人は先程の若い男を紹介した。
                               早足の目からは、警戒の色が消えていなかった。
                              (わしが本当に皇子様の使いかどうか疑っている)
                               虫麻呂は察した。
                              「これこれ、この御方は、皇子様のお使いに相違ないぞ」
                               老人——酒麻呂がたしなめるように言った。
                               早足は答えなかった。
                               そうでしょうか、とでも言いたげな目をしている。
                               酒麻呂は呆れたように、
                              「取り越し苦労もいい加減にせい。もし、この御方が、朝廷《みかど》の回し者ならば、今頃この里は官軍に取り巻かれているところだ」
                              「その通りだな、早足」
                               虫麻呂は笑って、
                              「わしは武智麻呂殿の名を出した。すなわち武智麻呂とこの里のつながりを知っておるということだ。間者ならば、とうの昔に知らせておるよ」
                               その言葉に、早足もようやく警戒を解いた。
                              「それでよい。では、本題に入ろうか」
                               虫麻呂は膝を進めた。
                              「その前に、今度の一挙を成し遂げるため、信ずべき者どもを三人ほど加えたいのでございますが」
                               酒麻呂が許しを乞うた。
                              「よかろう」
                               虫麻呂は認めた。
                               早足がすぐに行き、三人の男を呼んできた。
                               男はいずれも、三十そこそこの屈強な青年で、
                              「風見《かざみ》」
                              「魚手《うおて》」
                              「湯石《ゆいし》」
                               と、それぞれ名乗った。
                              「この者共は、栗隈王様のために一命を捧げると誓っております」
                               酒麻呂が言った。
                              「ほう、これほどの若者共が」
                               虫麻呂は感心した。
                              「この里は、もとはろくに作物も取れぬ貧しいところでござった。それをあの御方が、大溝を掘ってくだされて豊かな村に変ったのでござる。われわれ里人は、あの御方こそ真の主《あるじ》と思うておりまする」
                              「なるほどな」
                              「あの御方の御命令とあらば、水火もいといませぬ」
                              「わかり申した」
                              「そこで、段取りでござるが——」
                               酒麻呂が早足に目くばせをした。
                               早足は早速、その場に図面を広げた。
                               それは巨椋池を中心にした、この辺りの地図だった。
                              「帝がよく狩りに来られるのは、この辺りでござる」
                               酒麻呂は池の北東側を指さした。
                               栗隈郷は池の南西側、つまり池を挟んで対称的な位置にある。
                              「こちらから事を起こし、一件が済み次第、その亡骸《なきがら》は舟で運び込むというのはいかがでしょう」
                              「それで、この辺りに埋めてしまうというのか」
                               虫麻呂は言った。
                              「仰せの如く——」
                               酒麻呂が答えた。
                              「それでよかろう。ただし——」
                               虫麻呂は気になっていたことがある。
                              「そもそも、帝をどのようにして討つかということだ」
                               狩りに出かけたところを討つといっても、帝は一人ではないのだ。
                              「そのことも、お任せあれ」
                               今度は早足が言った。
                              「どうする?」
                              「われらが勢子《せこ》となりまする」
                               早足の言葉に、他の三人もうなずいた。
                               狩りの獲物を追い立てるのが、勢子の役目である。
                               狩りに来た帝を、そのまま獲物にしてしまおうということになる。
                              (これは面白い)
                               虫麻呂は不敵にも笑った。
                               だが、これは一歩間違えば全員の死につながる。
                               もし発覚すれば一挙に、参画した者ばかりでなく、一族皆殺しにあうだろう。
                               だが、そんな心配をしている者は一人もいない。
                               少なくとも虫麻呂はそう感じた。
                              (これなら、うまくいく)
                               そうでなければならなかった。
                               失敗すれば、大海人皇子だけでなく、この国そのものが滅びるのである。
                               
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